2/26/2017

アメリカで家を建ててみた①【文化の違いを理解する】


アメリカって国土が広いイメージがあるからか、みんな一軒家に住んでいる感じがしませんか。そんなことはありません。日本と同様に様々な居住形態があり、ライフスタイルやライフステージに合わせて自分に合ったものを選びます。


所有形態/サイズ
賃貸Apartment
建物所有会社の株を購入し、住む場所を借りるCO-OP
所有CondominiumTownhouseHouse

Apartmentは日本の賃貸アパートとマンションに当たります。CO-OPは一見アパートのようですが、入居するためには会社の株を購入する必要があります。Condominiumは日本のマンション購入に近いでしょう。Townhouseは中に入れば2階建ての小ぶりな家のようなのですが、外から見るといくつかの「家」がつながっていて、アパートと家の中間のような感じです。Houseはその名の通り一軒家。



私たち夫婦は、渡米直後は主人の家族の家に住まわせてもらっていました。職を得てからはアパート暮らし。そして、家を買うと決めてから実際に移り住むまで約一年にわたり、新旧問わずおよそ20軒の家を内覧し、勉強をし、2016年10月についにアメリカのミネソタで家を建てました!

これから数回にわたって、アメリカ、ミネソタで家を買うというのはどんな感じなのかをご紹介していきたいと思います。アメリカでこれから家を買おうと思っている方のお役に少しでも立てたら幸いです。

家に対する価値観の違い


アパートに引っ越してすぐに「いつか家がほしいね」と夫婦で話していたのですが、私はこの「いつか」を貯金も十分たまっているであろう(貯まっていていほしい)5~6年後と想定していました。しかし、アメリカ人の主人の「いつか」は何と翌年であることが判明!これは「いつか」じゃなくて「すぐ」でしょう!

なんて無計画なんだ!と怒り心頭だったのですが(ごめんね)、数か月にわたるケンカという名の話し合いの後、これが文化の違いからきているとの結論に達しました。

日本ではマイホーム購入は一生に一度の一大イベント。安定した収入と十分な貯金がある年齢まで待って、家族みんなが一生ハッピーに暮らせるような家を探し、生涯かけてローンを支払う。いつか自分の家を建てるのが夢という方もたくさんいらっしゃると思います。私も「家なんてしょっちゅう買えるものじゃないんだから、ちゃんとお金を貯めてから満足のできるいい家を買いたい」派でした。

一方の主人はというと、「家なんて一生のうちに何回でも買い替えられるんだから、今の収入で買えるところを探そうよ」派。えっ?何回も買い替えるの??

日本 <家は人生の集大成>



日本では、家は一生に一度の買い物=終の棲家。なぜ買い替えないのか。家の価値って築年数とともに下がってしまうから、売っても新しい家を買えるほどの十分な資金が回収できないんです。では、なぜ築年数で自動的に価値が決められてしまうのか。

日本にいたときには、築年数の価値観に対して何の疑問もありませんでした。だって、古ければそれだけ傷みもあるはずでしょう?でもアメリカには古くて価値のある、素敵な家がたくさんあります。問題があっても構造的なことでなければ大体は修復可能です。古くて手入れされていない家はもちろん価値が低いですが。

ではなぜ日本では築年数がそんなに重要視されているのか…わかりません。一般企業での年功序列制に対する疑問に似ているかも。年齢よりも、その人のパフォーマンスに対して評価するのが大事なんじゃないのというところ。

新しければ新しいほど良いということで、新築物件が非常に人気。そして売ることを前提として建てていないため、超自分好みのレイアウトや奇抜なデザインも可能。せっかく高いお金を出すんだったら自分の好きなようにしたいですよね。

アメリカ <家は人生のステップアップ>



アメリカでは「家の購入=投資」という考え方が一般的です。社会人生活を始めたら、まずは街中にある2ベッドルームの家を買う。家族が増えたら、それを売ったお金を元手に郊外の3~4ベッドルームの家を買う。退職したらまた家を売って、そのお金を元手に田舎に豪華な家を買う。

これができるのは、築年数が長くなるにつれて家の価値が上がるからです(もちろん下がることもありますが)。100年前のコロニアル調の家なんかも中心地に行くとたくさんあって、皆後々売る時のことを考えて、家のメンテナンスは日々しっかりと行っています。売る前にはキッチンのリノベーションや屋根の交換を行い、買い手にアピール。購入前の検査で何らかの欠陥が見つかれば、買い手は売主に請求できます。また、いいかの悪いのかよくわかりませんが、市場に出回っている家のレイアウトは50年前のも10年前のもどれも似たようなばかり。奇抜だと買い手を見つけるのが大変だからです。

また、日本と同様、アメリカの都市部の開発はほぼ完了しています。新築の家を街から1時間のところに建てたとしても、10~20年後に果たして売れるのか。とにもかくにも、売る時のことが常に頭にあるようです。

まとめ


これは完全に単なる文化の違いです。どちらがいいとか、どちらが悪いとかでなく、こういうものなのであると理解すること。しかし家に限らず、こういう文化の違いを受け止めるのって時間がかかるんですよね。。。今まで自分が信じていたものが国が違うだけで崩されてしまう。私は無駄に数か月にわたって主人とこの違いについて議論を戦わせていたのでした(笑)

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